2013年6月6日(木曜日)

労働時間に係る関係法令の遵守に向けて

カテゴリー: - webmaster @ 11時14分13秒

今回は、jitcoかけはし vol.113から 「労働時間に係る関係法令の遵守に向けた注意点」についてです。

Q−1

労働時間は法令上どのような取扱いとなっていますか。

A−1

1週40時間、1日8時間のいずれも満たすことが労働基準法(以下「労基法」という)第32条により一部の例外を除いて労働時間の原則として示されています。これらは法定労働時間と呼ばれていますが、事業の運営上、これをオーバーする事態も予想されますので、労使協定の締結や労基署への届出等を条件に原則を外れた取扱いも可能とされています。

Q−2

労働時間に関する法令違反の実態はどうなっていますか。

A−2

厚生労働省が昨年10月に記者発表した「最近における技能実習生の労働条件確保のための監督指導及び送検の状況」によれば、労働基準関係法令違反は全体の82%に上っており、このうち労働時間に係る違反(労基法第32条)は31.7%と労働条件に係る違反の中では最も高い数字を示しています。つまり、労働時間は労働条件の取扱いにおいて最も注意を要する項目の一つと捉えられます。

Q−3

労働時間に関する法令違反の具体的内容を教えてください。

A−3

労基法に示す諸手続を踏むことなく法定労働時間をオーバーしているケース、手続はなされているものの手続に示すルールに反した取扱いがなされているケースがその主なものと考えられます。なお、労働時間に係るこれらの違反については、罰則が定められていることにも注意が必要となります(例→労基法第32条違反は同法の罰則規定で6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金とされています)。

Q−4

労働時間について法令違反を指摘されないためにはどのような点に注意すればよいでしょうか。

A−4

技能実習生に残業、休日出勤をさせる場合、労働者の過半数を代表する者とあらかじめ「時間外・休日労働に関する協定」(36協定)を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出る必要があります。なお、この協定は有効期間を定めることになりますので、期限切れとならないよう注意が必要です。常に協定の有効期間を意識し、必要に応じて再締結の上、所轄労働基準監督署長へのご提出をお願いします。 2点目は協定内容の遵守ということになります。36協定の趣旨は残業時間数や休日出勤日数の上限について労働者代表と協定を締結しこれを事業場のルールとして運用していくことにあります。例えば残業の上限を1日3時間と締結しているにもかかわらず、4時間させた場合は協定オーバーの残業として、法令違反となります。このような点を考慮すれば労使で協定する残業時間数や休日出勤日数は少し余裕のある設定の方がよいように思われます。

Q−5

変形労働時間制において法令違反を指摘されないためにはどのような点に注意が必要でしょうか。

A−5

変形労働時間制を採用する場合にも法定の手続が求められることになります。このうち、1箇月単位の変形労働時間制は労働者の過半数を代表する者との書面による協定又は就業規則その他これに準ずるものに定める必要があります。一方、1年単位の変形労働時間制の場合、労働者の過半数を代表する者との書面による協定の締結が必要となります。以上のような手続を怠り変形労働時間制を採用し、法定労働時間をオーバーした場合も労基法第32条違反に該当することになります。また、これらの労使協定は所轄労働基準監督署長への届出が必要であり、これがなされていない場合も労基法に違反することになります。

Q−6

労働時間違反が入管法令とどのように関係するか教えてください。

A−6

不正行為の類型の中に「技能実習に関し労働基準法又は労働安全衛生法その他これらに類する法令の規定に違反する行為(労働関係法令違反)」(上陸基準省令技能実習1号ロ第16号ヨ等)が示されていますので、労基法違反とならないよう入管法令上も対応が必要となります。さらに、不正行為の類型として「提出した技能実習計画と著しく異なる内容の技能実習を実施し、又は当該計画に基づく技能実習を実施しないこと(技能実習計画との齟齬)」(上陸基準省令技能実習1号ロ第16号リ等)が示されており、労働時間についても注意が必要となります。この点は、技能実習生の入国・在留管理に関する指針において「実際に行われた技能等修得活動の時間数が当初の技能実習計画の時間数を大幅に上回っている場合にも、技能実習計画との齟齬と判断されることがある」とされており、さらにその判断として「当初の技能実習計画の内容・齟齬の程度や労働時間管理の状況、時間外・休日労働の実施に至った経緯等を総合的に考慮して判断する」旨が示されていますので、これらに基づいた対応が求められることになります。

Q−7

技能実習生が残業を要望するので長時間労働をさせても構わないでしょうか。

A−7

上記A6に示す内容も含めて、長時間労働とならないよう注意が必要となります。とりわけ厚生労働省より示されています「時間外労働の限度に関する基準(以下「限度基準」という)の遵守に留意が必要です。さらに、限度基準をオーバーせざるを得ない事態が想定される場合は、臨時的に対応が可能となる特別条項を設けた36協定の締結にも考慮が必要となります。いずれにしても、過重労働につながらならないよう長時間労働は可能な限り避けるとともに、労働関係法令や入管法令に反した取扱いとならないよう注意すべきです。

最後に

労働時間に関する法令違反は協定の未締結や未届出といった形式的な内容が多く含まれることから、平素の注意で防げる余地が大きいと思われます。実習実施機関において、労働条件に係る法令違反が多く指摘される状況下、制度の発展には、その減少が不可欠の要素と捉えられます。


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