2014年7月10日(木曜日)

【労務管理】宿舎の安全衛生の確保に向けて

カテゴリー: - webmaster @ 10時38分02秒

今回は、技能実習生の宿泊施設について、労働関係法令における位置付けや取扱いに注意を要する事項等を中心に整理してみることとします。 jitcoかけはし vol.118から「宿舎の安全衛生の確保に向けて」についてです。
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Q1

技能実習生の宿泊施設は労働関係法令上どのように捉えられるのでしょうか?

A1

労働基準法で事業附属寄宿舎が定められていますので、その要件に該当すれば、関係条文が適用されることになります。なお、同法では第10章に寄宿舎に関する規定を設けており、条文としては第94条から第96条の3までがこれに該当します。また、省令として事業附属寄宿舎規程が、さらにこれらの取扱いに関して所轄行政より関連通達が発出されていますので、これらに基づき具体的な運用がなされることになります。
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Q2

技能実習生の宿泊施設が事業附属寄宿舎に該当するかどうかはどのような判断によるのでしょうか?

A2

事業附属寄宿舎は、「ヾ鷭票砲任△襪海」及び「∋業に附属すること」の2つの条件を充たすことが、行政より示されています。このうち,砲弔い討蓮∩蠹人数の労働者が宿泊し、共同生活の実態を備えていること、△砲弔い討六業経営の必要上、その一部として設けられているような事業との関連をもつことと解されています。さらに、,砲弔い討蓮∪瀉崗貊蠅独立又は区画された施設であるか、△任六業場内又はその付近に設けられているかが要素として加えられており、これらを総合的に判断するとされています。
 なお、事業附属寄宿舎に該当しない例としては、社宅のように労働者がそれぞれ独立の生活を営むもの、小人数の労働者が事業主の家族と生活を共にするいわゆる住込みのようなもの、福利厚生施設として設置されているいわゆるアパート式寄宿舎が挙げられています。
 以上が判断の主なポイントとなりますが、技能実習生の宿泊施設には様々な形態があり得ることにより、難しいケースも想定されます。よって、必要に応じて所轄行政(都道府県労働局、労働基準監督署)に問い合わせる対応も考慮すべきと思われます。
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Q3

技能実習生の宿泊施設において、安全衛生の確保に必要となる注意事項を教えてください。

A3

事業附属寄宿舎では、労働基準法第96条において寄宿舎の設備及び安全衛生について使用者が講ずべきことが定められています。さらに事業附属寄宿舎規程でその基準が細かく規定されており、法令上これらの遵守が求められることになります。
このうち最も注意を要すると思われる火災関係では、同規程第9条で「寝室の位置」、第11条で「避難用階段」、第12条で「避難用通路の標示等」、第13条で「出入口の戸」、第13条の2で「非常用設備」、第14条で「消火設備」などが定められています。とりわけ、火災発生時の対応としては、「避難用階段」の設置が重要となります。労働者を2階以上の寝室に寄宿させる場合、その人数に応じて、容易に屋外の安全な場所に通ずる「避難用階段」を1〜2ヶ所以上設けることとされていますので、ご注意をお願いします。
技能実習生が食事調理中や就寝中、階段昇降中などでケガをするケースがみられており、とりわけ火災では技能実習生が死亡するケースも発生しています。これらの状況を踏まえて、JITCOでは「外国人技能実習生の宿舎における事故防止について」(2011年1月31日改定「外国人技能実習生労務管理ハンドブック」参照のこと)を定めていますので、皆さんの取組みの参考としてください。
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Q4

技能実習生を交替制勤務に従事させるケースにおいて、宿泊施設の取扱いに関する注意事項を教えてください。

A4

このようなケースでは、とりわけ宿舎における睡眠の確保が重要となります。 事業附属寄宿舎では、事業附属寄宿舎規程第21条において、交替制で就業時間を異にする2組以上の労働者(技能実習生)を寄宿させる場合、原則として同一の寝室に就眠時間の異なる者を収容することが禁止されています。同一の寝室に寄宿させると、一方の労働者が睡眠をとっている際に他方の労働者は起きていることになり寝ている者の睡眠を妨げることが予想されるために必要な措置となります。
 さらに、同規程第22条では、寄宿する労働者の就業時間が夜間に当たっていて、昼間に睡眠をとる必要がある場合は、寝室を暗くして労働者が昼間でも睡眠がとれるように、暗幕、ブラインド等遮光のための設備を設けなければならないとされていますので、併せてご注意をお願いします。
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Q5

寄宿舎規則の取扱いについて、注意を要する事項を教えてください。

A5

事業附属寄宿舎に労働者(技能実習生)を寄宿させる全てのケースについて、労働基準法第95条に基づき、事業場(実習実施機関)の所在地を管轄する労働基準監督署長に寄宿舎規則を届け出なければなりません。なお、本規則には、ゝ床、就寝、外出及び外泊に関する事項、行事に関する事項、食事に関する事項、ぐ汰患擇啀卆犬亡悗垢觧項、シ設物及び設備の管理に関する事項の5項目を必ず盛り込む必要があります。
また、届出に当たっては、寄宿する労働者の過半数を代表する者の同意を得た上で、それを証する書面を添付しなければなりません。その他、作成した寄宿舎規則は同法第106条第2項に基づき、寄宿舎の見易い場所に掲示し、又は備え付ける等の方法により、寄宿する労働者に周知することにも注意が必要です。
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Q6

寄宿舎の設置等の届出について、取扱いに注意を要する事項を教えてください。

A6

事業附属寄宿舎を設置し、移転し、又は変更しようとする場合、一定の要件を満たせば、労働基準法第96条の2に基づき、工事着手14日前までに、事業場(実習実施機関)の所在地を管轄する労働基準監督署長に計画を届け出なければなりません。
 届出の必要なケースとして、まず10人以上の労働者を就業させる事業が挙げられます。本ケースでは、技能実習生を含め当該事業場に常態として所属する労働者の合計数で判断することに注意が必要となります。
 次に、厚生労働省令で定める危険な事業又は衛生上有害な事業が挙げられます。具体的には、労働基準法施行規則第50条の2に事業の種類や使用する原動機の定格出力のワット数、業務等が定められており、これらに該当すれば本件の届出が必要となります。
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◎最後に

 技能実習生の在留中、ケガや病気をさせてはならないという視点では、労働関係法令上事業附属寄宿舎に該当するケースはもとより、そうでない場合であっても、関係者におかれましては宿泊施設を原因とした事故防止に向けご注意お願いします。
 さらに、技能実習生が日常生活を過ごす環境に問題があれば、睡眠や集中力に悪影響を及ぼし労災事故にもつながりかねません。宿舎を快適な環境とすることが技能等の円滑な修得につながり、事業運営の面でもプラス効果が期待できることになります。いよいよ暑い季節を迎えることになりますで、技能実習生が宿舎で快適に過ごすことのできる環境作りに是非ご配慮いただければと思います。


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